FXのリスクのなかでも最大のものとして、為替相場の変動リスクが挙げられますので、これらFXに取り組むという場合には、ことに注意しなければなりません。為替相場というのは、短時間ではげしい値動きをすることがあり、それは時として想定していた値幅よりも相当広い範囲におよぶものであったりもします。特に、FXでは自己資金としての証拠金が少なくても、その何倍もの外貨の売買ができる、いわゆるレバレッジが認められていますので、あまりにもハイレバレッジでの取引をしている場合には、値幅がある分だけ含み損が大きくなってしまいます。証拠金がある程度は口座のなかに入金されている状態であれば、ふたたび価格がもとに戻るまでの含み損に耐えられるといえますが、もしも証拠金が少ないようであると、含み損に耐えられず、ロスカットといって、一定の証拠金維持率を下回ると同時にポジションが強制的に決済されてしまうことにもなりかねません。
そもそも含み損を抱えているがためにロスカットが発動するわけですので、強制決済された後の証拠金はいちじるしく減少し、もはやトレードに必要な証拠金を捻出できなくなってしまうことがほとんどです。このような事態を避けるためには、FXをはじめるにあたっては、ある程度の潤沢な証拠金を用意するとともに、証拠金維持率を低下させるような、むやみなポジションを取らないといったこともたいせつになってきます。特に、含み損を減らそうとして、価格が下落するたびごとに新規にポジションを構築して、平均的なコストを下げようとする人がいますが、これは初心者が陥りやすい失敗の原因になりますので、避けたほうが無難です。